車格的にははっきりとその上を担いつつ、ブランドの大黒柱である911シリーズとはまるで異なるキャラクターのラグジュアリーGTとして開発された928シリーズ。
RRではなくFR、つまりはフロントエンジン・リアドライブの2ドア4シータークーペとした時点で、911のポルシェとは全く違う道を歩んでいます。しかも、エンジンは水平対向6気筒ではなく新開発のV8。トランスアクスル式ミッションを搭載したFRの本格的なグラントゥーリズモでした。
デビューは77年のこと。そこから基本的なコンセプトを大きく変えることなく、なんと95年まで18年間にも渡って実におよそ6.1万台が生産されました。その間、V8エンジンは当初の4.5リットルSOHCから、4.7リットルSOHC(Sシリーズ、S2シリーズ)、5リットルDOHC(S2シリーズ、S4シリーズ、GT)、そして5.4リットルDOHC(GTS)へと進化。最高出力も240psから最終的に350psにまで引き上げられ、シリーズごとにスタイルを始め様々な改良を加えながら、高速ツアラーの代表格として君臨し続けたのです。
911シリーズのあまりの偉大さに隠れていたうえに後継モデルも造られることはなく、その他の野心作、ミドシップの914やFR小型スポーツの924&944などと並び、ポルシェにとっては失敗作のひとつに数えられることも多いわけですが、その一方で18年間も造られ続けたということは、その真の価値を理解するカスタマーもまた多く、それだけ先進的な設計とメカを持つGTカーであったということの証でもありました。さしずめ、現代のパナメーラあたりは、ポルシェが928時代に成し遂げたかったことだったのかも知れません。事実、928シリーズにはH50と呼ばれる4ドアプロトタイプも存在しました。
当時のGTカーとしては非常に秀逸なパフォーマンスを発揮します。現代にも十分に通用するスタビリティの高さと乗り心地の良さ、意外に軽快なハンドリングなど、見どころも沢山。ここにきて再評価され始めており、程度の良い個体が少なくなってきたことも手伝って、そろそろ購入へのラストチャンスを迎えつつあると言っていいでしょう。
西川淳の、この個体ここに注目! |
91年式ですから、シリーズで最も人気のあるS4のほぼほぼ最後期に生産された個体でしょう。ディーラー車で、取扱説明書はもちろん、有名工場での整備記録もしっかり残っています。
オドメーターの距離は6.6万キロちょっとと、決して少ないとは言えませんが、約30年経っていると思えば少ないほうでしょうし、何より、内外装のコンディションを見た限りでは3万キロくらいと言われてもおかしくない状態を保っていました。
特にインテリア。現オーナーがこまめに手を入れて補修を繰り返しているというだけあって、見た目は本当に美しい。エクステリアもところどころにかすり傷や経年劣化、モール浮きなどが見受けられるものの、現存する928S4のなかでは美しい状態にあると言っていいでしょう。
水や空気まわりの整備が徹底されているという点も見逃せません。つまり、日常的に使えることを前提に、きっちり整備されてきた個体です。ダンパーにややヘタリがありますが、アシ回りをきっちり仕上げればいっそう素晴らしい個体になることは間違いありません。
年式 | 1991年 |
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初年度 | 1970年1月 |
排気量 | 4,950cc |
走行距離 | 66,000km |
ミッション | 5AT |
ハンドル | 左 |
カラー | シルバー |
シャーシーNo | WPOZZZ92ZMS800939 |
エンジンNo | |
車検 | 抹消済み |
出品地域 | 兵庫県 |
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