車名にあるZは、2019年に100周年を迎えたイタリアの名門カロッツェリア、ザガートの頭文字です。60年代半ばのアルファロメオを背負った名車ジュニアシリーズをベースに、ザガートがオリジナルの空力ボディを架装したモデルがジュニアZで、1969年に誕生しました。
スタイリングを担当したのは、60年代のザガート黄金期を支えたエルコーレ・スパーダで、この頃のザガートにおけるほとんど最後の作品でした(スパーダはその後、90年代にザガートへ復帰しています)。
ベースとなった1300GTジュニアや1300スパイダージュニアとはまるで違う、直線的なスタイルが非常にユニークで、70年代におけるウェッジシェイプデザインブームの到来をすでに予感させるデザインと言っていいでしょう。一見、アンバランスにみえて見れば見るほどにカッコいいと思えてくるあたりもまた、ザガートらしいというか、個性的なデザインを多く生み出したスパーダらしさというべきかもしれません。内装ではダッシュボードまわりもザガート専用デザインとなっています。
72年になると、ベースモデルのマイナーチェンジに伴って排気量を300cc上げた1600ジュニアZへと発展。直4DOHCエンジンのパワーは20馬力上がって108馬力となりました。一見してほとんど同じにみえるジュニアZと1600ジュニアZですが、異なる点も実は沢山あります。1600のテールエンドが10センチ長いというあたりは有名ですが、二台を同時に並べて比較しないかぎり判断が難しい。単独で1300か1600かを見分けたいというならば、燃料タンクのリッド位置で判断するのが良いでしょう。左側にリッドがあれば、そのジュニアZは1600です。
総生産台数はジュニアZで1100台あまりと少なく、1600ジュニアZにいたってはわずかに400台、と、いずれにしても大変貴重なモデルであると言っていいでしょう。
西川淳の、この個体ここに注目! |
非常にオリジナル度の高い1970年式のジュニアZ(1300)です。クラシックカー好きの方ならば、この個体がASIのゴールドプレート(#31054)を所持していると知っただけで、オリジナル度の高さを認めていただけることでしょう!
1970年に登録されたのち、1978年にピストイアに移転登記され、現在も車体に装備されたままのイタリアのオールドナンバープレート“PT 181643”を取得。そこからおそらくは2011年までイタリアで大切に扱われてきた個体だと思われます。2012年に日本へと輸入された後もオリジナル状態をよく保ち、現オーナーの元へとやってきました。当時のドキュメントも残っています。
インテリアの所々に小さな破れがあり、ボンネットにペイント浮きも少しだけ見受けられますが、全体としては非常に良好なコンディションで、雰囲気もなかなかのもの。さすがはASI(イタリアクラシックカー協会)認定の個体です。
ユニークなエクステリアデザインもさることながら、ボクはシンプルなブラックのインテリアに惚れてしまいました。
年式 | 1970年 |
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初年度 | 2013年3月 |
排気量 | 1,290cc |
走行距離 | 58,000km |
ミッション | 5MT |
ハンドル | 左 |
カラー | 赤 |
シャーシーNo | 10593AR1800161 |
エンジンNo | AR053057856 |
車検 | 2020年(R2)4月 |
出品地域 | 北海道 |
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