R107と呼ばれる第三世代のSLシリーズ。1971年から89年まで実に18年間ものあいだ生産されたロングセラーカーであり、その時代、唯一のオープントップ可能なメルセデスでした。
日本では特にそのモデル末期がバブル経済と重なったこともあって、AMGパーツを装備したSLが大人気を博したものです。バブル時代を象徴する高級車でもありました。
ミディアムクラスW114用をショートホイールベース化したシャシーを基本としながら、Sクラス用として開発されたひとクラス上の6気筒もしくは8気筒エンジンを搭載するという手法は、当時のスポーツカー造りのお手本ともいえるもの。コンパクトかつ精悍なルックスの2ドア2シーターオープンスポーツカーとして、その世界的な人気はポルシェ911と二分していたと言えるでしょう。
R107のなかでも今、世界中のマニアが注目するグレードが560SLです。というのも実はこの560エンジン、当時のメルセデスラインナップにおける最大排気量を誇るV8エンジンなのですが、これを積んだSLクラスは欧州マーケットでは販売されず、日本やアメリカなどへの輸出専用モデルだったのです。なかでも日本仕様は見た目に欧州仕様と変わらず、また走行距離も少なくコンディションのいい個体が多かったため、ここ数年、多くの欧州バイヤーが日本にやってきて買いあさっていきました。つまり、今、560SLのグッドコンディション個体はマニア垂涎のモデルとなっているのです。
名車300SLロードスターを祖先にもつSLクラス。第二世代W113、通称パゴダはすでに大人気を誇るクラシックカーで、価格もすでに高騰しています。それゆえR107とその後継として登場するR129に、マニアの暑い視線が注がれるようになりました。なかでも、大排気量エンジンを搭載する一部のグレードに人気が集中しており、今後もその傾向は変わらず続くとみられます。
西川淳の、この個体ここに注目! |
87年型の560SLで、並行輸入車ですが、当時の正規輸入元であったヤナセにて整備され、仕様も正規仕様に変更されています。いずれにしても、この年式で正規モノであるかどうかは、大きな問題ではありません。こだわる人が多いこともまた事実ですが、古くなればなるほどその重要度が薄れていくことは間違いありません。
ブルーブラックのボディカラーに、美しいハードルーフ、メッキのホイールアーチ、AMG18インチホイールという、当時最も人気のあるコンビネーションでまとめられています。走行距離は9万キロ弱ですが、グレーのレザーインテリアは距離を思わせないほど上々のコンディションで、ダッシュボードには割れもありません。センターコンソールの一部にヒビがあり、スイッチ類にもそれなりに使用感がありますが、年式と距離を考えればリーズナブルな劣化と言えるでしょう。灯火類の状態は非常に良好です。内外装の全般をみても整備が行き届き、大事に扱われてきた個体であることが分かります。
有名なメルセデスベンツコレクターの愛車でもありました。人気の560SLで歴史を引き継ぐ。それもまた、クルマ文化の正しいあり方というものでしょう。
年式 | 1987年 |
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初年度 | 1987年12月 |
排気量 | 5,549cc |
走行距離 | 89,500km |
ミッション | 4AT |
ハンドル | 左 |
カラー | 濃紺 |
シャーシーNo | WDBBA48D1HA073659 |
エンジンNo | |
車検 | 車検2年付き |
出品地域 | 群馬県 |
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