ある意味、これぞアメリカン!ではないでしょうか。大型クーペのユーティリティビークルというジャンル。クーペやセダン、ワゴンの大衆モデルをベースに、フロントドアあたりまではその面影を大いに残しつつ、リアドア以降を取っ払ってピックアップとした、いかにもアメリカらしい大胆なクロスオーバーモデルです。1950年代から70年代にかけては、これもまたSUV=スポーツ・ユーティリティ・ビークル、の一種でもありました。
あえて言うならクーペ・ユーティリティ・ビークル=CUVでしょうか。その先鞭は、1957年に登場したフォード・ランチェロでした。その成功を目の当たりにして地団駄踏んだのが、何を隠そう天下のGM。それもそのはず、GMのデザイナーたちは既に50年代初頭にはCUVのコンセプトを練っていたのですから。もちろん、GMがランチェロの成功をみて、手をこまねいて放っておくはずもありません。対抗策をすぐに用意します。こうしてスポーティなシボレーブランドから誕生したのがエル カミーノでした。
59年に登場した初代エル カミーノこそわずか2年で生産が終了してしまいましたが、64年に人気モデルのシボレーシェベルをベースとした二代目が復活登場すると、たちまち高評価を得ます。以降年毎に進化(モデルイヤー制)し、68年には三代目にフルモデルチェンジ、そして78年には四代目へと発展して、結局、エル カミーノという名のCUVは87年まで生産されたのでした。
取材車両は第二世代の最終年、つまり1967年に生産されたエル カミーノです。シェベルのスキンチェンジに併せてエル カミーノもグリルやバンパーのデザイン、インテリアに変更が入っています。
第二世代のエル カミーノには194cuのストレート6から327cuのスモールブロックV8まで、様々なエンジンラインナップが設定されていましたが、なかでも66年以降には396cuのビッグブロックV8も選択できるようになりました。
西川淳の、この個体ここに注目! |
“こだわり”のいっぱい詰まった趣味のガレージに佇んでいたのは、シボレー エルカミーノ、人気の第二世代最終67モデル。第一印象は、「とてもきれいな見映えコンディションを保っているな」、でした。
60年代のアメリカン・ユーティリティというと、個人的には“使いっぱなしのプリザベーションがオシャレ”、なんてイメージがあったのですが、ビシッとペイントし正統派に仕立てるのも大いにアリだと再認識。この時代のエル カミーノがシェベルをベースに仕立てられ、そのシェベルの人気モデルがマリブであったという歴史をグリルやインパネのエンブレムで遊んでいるのもシャレています。
見映えコンディションの良さには理由がありました。神戸の有名ボディショップにて全塗装され、ボディのチリ合わせなども入念に施されていたからです。新車時よりチリが合っているのでは?、と思わせる仕上げです。
見映えだけじゃありません。現オーナーは季節を問わず楽しめるようにと、機関系にも様々な手を加えています。オルタネータを高出力タイプに変更。よく効くクーラーに、4輪ディスクブレーキ、オーバーヒート対策として大型電動ファンも二機装着されました。
心臓部は383ストローカーV8にB&M製4速ロックアップ付TH700R4ミッションを組み合わせています。この年代のGMマッスルカーには定番といっていいメニューでしょう。
ホットなパワートレーンを搭載しながらも、エクステリアはオトナの仕上げ。想いのいっぱい詰まったエル カミーノです。
年式 | 1967年 |
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初年度 | 2017年4月 |
排気量 | 6,300cc |
走行距離 | |
ミッション | 4AT |
ハンドル | 左 |
カラー | 濃緑 |
シャーシーNo | 136807Z139576 |
エンジンNo | |
車検 | |
出品地域 | 兵庫県 |
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