マセラティの大型ラグジュアリィクーペ、“グラントゥーリズモ”のデビューは2007年のジュネーブショーにまで遡ります。およそ12年を経たいまも現行車種として販売され続けているその要因は、コンセプトカー“バードケージ75th”をモチーフとしたというタイムレスなエクステリアデザインにあります。
オリジナルのデザインはピニンファリーナの手によるもの。基本コンポーネントはセダンのクアトロポルテをベースとし、全長約4.9m、全幅約1.9m、ホイールベース約2.9mというゆとりあるサイズをもって、エレガントなフォルムを作り上げています。クーペといっても後席も大人2人が快適にすごせるスペースを確保しており、フル4シーターとも呼べる室内空間と広いトランクを備えている点は、まさにGTカーの名にふさわしい魅力のひとつといえるでしょう。
さらにデザインだけでなく、実はスポーツカーとしての資質にも恵まれています。車検証の数字をみても、前軸重980kg、後軸重970kgと、前後重量配分はほぼ50:50です。絶対的なスピードだけでなく、その軽快なハンドリング特性をもってラグジュアリィクーペとしてだけでなく、スポーツクーペとしての実力を有したモデルとしても高く評価されています。
エンジンは、排気量4.2リッター(4244cc)のフェラーリ製V8DOHCで、自然吸気ながら405PS/47.0kgmを発生。トランスミッションは、ZF製6速ATを組みあわせており、カタログスペックは、0→100km/h加速は5.2秒、0→400m加速は13.4秒を誇ります。のちに排気量を4.7リッターに拡大し、6速セミATを組みあわせた「グラントゥーリズモS」なども登場しますが、この個体は初期型のベーシックなモデルです。
マセラティの代表作といえば、3500GTにはじまり、ミストラルや初代ギブリなど、クーペの歴史をたどることになります。“グラントゥーリズモ”は、その系譜を受け継ぐ正統後継車というわけなのです。
藤野太一の、この個体ここに注目! |
グレイッシュシルバーのエクステリアに、ベージュ系のレザーシートを主体とした明るいインテリアが印象的です。現在のオーナーは以前に所有していたクワトロポルテでマセラティの魅力にめざめ、このグラントゥーリズモを中古で購入したそうです。特にこだわって探したのが、右ハンドルモデルであること。初期型の4.2リッターで右ハンドルは非常に希少です。さらにもうひとつこだわった点が、ウッドステアリングであること。純正オプションとして設定されていたウッド仕様のようですが、ステアリングをはじめ、シフトノブ、さらにダッシュボードのデコラティブパネルにも配されています。中古車市場では標準のレザー仕様のものがほとんどで、このウッド仕様はめったに見かけることがありません。
初代のオーナーは相当なこだわりをもった人物だったようで、ダッシュボード上部やステアリングのセンターパッドにはブラウン系のレザーを、ダッシュボード中央部やシートはベージュ系を、さらにセンターコンソールやドアの内張りはより白に近いベージュと、3色でコーディネートしています。
オリジナルと異なるのは、運転席右側のエアコン吹出口の手前にあるレーダー探知機が後付されていること。これも現オーナーではなく以前のオーナーが取り付けたものだそうですが、もちろん取り外すことも可能です。
初度登録は2008年4月、現オーナーが購入したのは2017年11月で、その際の走行距離は1万8600km、取材時の走行距離は2万1350kmと、登録から10年以上が経ってこの距離ですからいかに大切にされてきたかがわかります。
フロントバンパーとリアバンパーの共に右側に擦りキズがありますが、これは現オーナーがご自宅で駐車の際につけてしまったもののようです。あとホイールにも1本小さなキズがありますが、いずれも軽微なもので修復はそれほど難しくはないと思われます。希少な右ハンドルで、初期型らしいオリジナルデザインやフェラーリサウンドが味わえる1台です。
年式 | 2008年 |
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初年度 | 2008年4月 |
排気量 | 4,244cc |
走行距離 | 21,353km |
ミッション | 6AT |
ハンドル | 右 |
カラー | グレーメタリック |
シャーシーNo | ZAMGH45C000036414 |
エンジンNo | |
車検 | 2019年(R1)10月 |
出品地域 | 東京都 |
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