毎年、4万人以上の“カーキチ”が訪れるモントレーの週末。今でこそ、“オープニングイベント”の大役をモータースポーツ・ギャザリングに譲ったかっこうになってはいるけれど、十年前までは、この『コン
コルソ・イタリアーノ』で、この週末は始まったものだった(そういえば、コンコルソ、その昔はギャザリングが行われているクエイルロッジでやっていたっけ…)。
“イタリアン”をうたうだけあって、格式=敷居の高いイベントが多いこの週末のなかでは、最も陽気でフレンドリーなイベントだ。出ている方も見ている方も、超リラックス。その雰囲気が昔から大好きだ。
09 年から、ラグナセカ・ランチ・ゴルフ場で開催されるようになり(いっとき飛行場でやってしまってねえ、しょぼいイベントに落ちぶれかけたけど、みごとに蘇った)、クエイル時代の華やかさを取り戻しつつある。メインスポンサーは、アメリカ大陸に復活を果たしたばかりの、フィアット・アウトだ。
その名のとおり、イタリア車のコンクール、お祭りである。イタリアンブランドはもちろん、イタリアンカロッチェリア製であれば他国モデルでも展示できるという大らかさ。さらには、イベント展示の周りのスペース を“他国籍軍”に解放している。
日本車やドイツ車、アメリカ車、英国車が、クラブ単位などで集合しているのだ。
“イタリアーノ”といいつつも、グローバルに趣味クルマを見物できるという仕掛け。要するに、フェラーリを筆頭として最も華のあるイタリア車をダシに「クルマ好き全員集合!」と言っているわけで、ある意味、われらがCARZY のコンセプトに最も近いイベントだったりする。
そういうわけなので、とにかく、毎日使っているアシ車からコンクールコンディションの超貴重車まで、“旧い”のあり、“新しい”のあり、新旧スーパーカーあり、モーターバイク&自転車あり、と、ありとあらゆる“イタリア車”、ほぼすべてのイタリアンブランドが、毎年千台以上も集ってくる。
あおあおとしたゴルフコースの芝生のうえ、ブランドごとにズラリと並んでいる様子は、んもう、圧巻のひと言。
いちおう、コンクールと名乗っているので、いろんな表彰も用意されていて、有名デザイナーやらメーカートップが挨拶したりするのだけれど、基本は、並んだクルマをぶらぶら見物したり、チームや仲間うちでピクニックしたり、情報交換しあったりショッピングを楽しんだりと、まったりゆる〜い時間を満喫する類のイベントだ。
イタリアの陽気な音楽がかすかに漂う青空のもと、ちょっと小高いグリーンを見つけて腰を下ろし、目の前に広がる色とりどりのイタリア車を、ただただ、ぼんやりと眺めて過ごす。ああ、クルマ好きで良かったなあ、と思う、カジュアルだけど極上のひとときなのだった。