個人間売買の気軽さと、オークションのような楽しさを組み合わせた、
新しいコレクタブルカー流通のアプリがついに登場した!
ポルシェ928、ランチア モンテカルロクーペ、日産フィガロ……。これは複数のIT企業で代表取締役を勤める岡野幹生さんと、自動車評論家の西川淳さんたちが立ち上げた、中古車の個人間売買サービス「CARZY(カージー)」で見つけた車の、ほんの一例だ。いわゆるヴィンテージカーに片足を突っ込んだ車や、2000年代のフェラーリやランボルギーニなど、いずれも「昔欲しかった」とか「学生の頃、憧れていた」と思えるような車ばかりだ。
取り扱う車は「コレクタブルカー=趣味のクルマ」と、岡野さんと西川さんは決めている。基本は2ドアだが「趣味のクルマ」であればドアの枚数は問わない。モントレーのオークションに並べられるほど高価ではないが、中古車販売店に売るにはもったいない。かといって巷のネットオークションでは「いかに値切ろうか」と待ち構えている人ばかり。ずっと大切に乗り続けてきた愛車を、その価値の分かる次のオーナーに繋ぎたい。そう思う人々が出品している。
CARZYは、簡単に言えばアプリを使った中古車の個人間売買サービスだ。ただし「面倒な手続きや、取引の透明性・安全性をCARZYが担保する(岡野さん)」点が最大のポイント。例えばなかなか金額の折り合いがつかない時は、状況に応じてCARZYが間に立つこともある。また「売買契約書を発行するほか、買い手はCARZYに入金し、車両引き渡しを確認した後にCARZYが出品者へ支払います」と岡野さん。だから巷のネットオークションと比べ、安心して出入金や車両を引き渡すことができる。
もう一つ、国内ネットオークションにはないことがある。それは「記事」だ。かつて中古車情報誌の編集部にいたことのある西川さんも認める通り「中古車情報誌に掲載されている中古車情報は、『お!』とか『え!』とか驚く中古車を寝るのも忘れて探す楽しさがあります」。だからCARZYはメーカーのプレスリリースにも書かれていないようなマニアックな情報まで一台毎に載せている。しかも「親が免許返納まで大切に乗っていた」など、オーナーの愛情が目に浮かぶような実車の取材記事まで添えられている。こうした記事は西川さんをはじめ、プロのライターが取材・執筆している。
「ちょっと変わった車は、中古車販売店では『変わっている』ことや、年式や走行距離など十把一絡げの基準で買い叩かれがちだけど、『変わっている』ことに価値を見いだす人は、オーナー以外にもたくさんいるはず」と西川さん。出品者は、本当に欲しい人に納得の対価をもらって渡せることで安心して次の車へと動き出すことができる。一方、購入者は中間マージンの省かれた価格で、昔から欲しかった車を手に入れられる。誰もが「趣味の車」を安心して手放せて、それを元手に次の趣味の車を安心して買える。そんな趣味が楽しくなるスパイラルを生み出すのがCARZYであることを、2人は目指している。