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How to enjoy Monterey Weekend

モントレーウィークエンド完全ガイド
words / Jun Nishikawa

アナタにもスグ行ける!モントレーウィークエンド完全ガイド

サンフランシスコまでの、夏の十時間弱のフライトは、なぜかいつもアッという間で、悪名高い入国審査の長蛇の列もまったく苦にならない。中国大陸からの便より、少しでも早く着いてくれたならば、その列だって短かめだ。はやくも顔見知りを何人か見つけて、挨拶をかわす。年に一度、ここでしか会わない、という人だっていたりする。
無愛想な入国管理のオフィサーに愛想のひとつもくれてやり、ピックアップする荷物など毎度なく、そそくさと紙切れひとつで税関審査をやりすごす。アライバルホールを右に出たら、巨大な冷蔵庫のようなエレベーターに乗って上階へ。そこでトラムに乗り換え、レンタカービルを目指した。
コンクリートの反射でまっしろな外の光を浴びながら、冷房の効き過ぎた列車内にただよっている、プラスチックが溶けてまた冷えたような匂いを嗅ぐと、ああ、今年もここに来れたんだなあ、という実感が、ようやく湧いてくる。
低い山にへばりつく白や薄茶の家々をぼんやり眺めていると、ほどなく大きな建物に到着した。ドアが開く。そこはいきなりレンタカーオフィスだ。日本で予約しておいたハーツのカウンターに並ぶこと、およそ半時間。番号とキーを受け取ったら、巨大なパーキングに降りて、指定されたロットナンバーを目指す。
コルベット
モントレー
レンタカービルを走り出した後は、とにかく南(south の表示)を目指せばいい。ハイウェイ101 号サウスを、街でいえば、San Jose方向だ。一刻も早くモントレーを目指したい、というときはそのまま101 を南下する。たとえば、SFOに到着したのが木曜午前中で、カーメルのクラシックカーパレード(3時まで)を見たい、というときなど。
逆に昼頃着いてしまい、もうカーメルのパレードは諦めた、という年には、海岸線をゆっくり南下してみる。ハーフムーンベイあたりは、風光明媚で、古い街並があったり、気持ちいいワインディングロードがあったりと、走っていてとても気持ちいい。
 サンノゼを過ぎると、こんどはモントレーという案内表示を頼りに走ればいい。途中、156号線の入り方さえ間違わなければ(まあ、間違ったところでいずれまたモントレーやカーメルの表示が出てくるが)、すんなり辿り着くだろう。
ニンニクとフルーツとナッツの街、ギルロイと通過するときはいつも、レンタカーの窓を全開にする。かすかにただようニンニクの匂い。少し走れば、今度はベリー畑が続いて、いちごのほのかに甘い香りが鼻をくすぐる。そうこうしていると、海が見えてきた。
モントレーは、エグゾーストノートが聴こえそうなくらい、もうすぐそこだ。

まずは、だいじなだいじな、イベント日程

 主要なイベントは、金土日に行われる。文字通り、週末。で、日本から行く場合、木曜出発のサンフランシスコ直行便に乗れば、遅くとも夕方までにモントレー市内に入れるから、とても効率的。くまなく見るには、次項のスケジュール案(西川流)がイチバンいいと思う。月曜午後のフライトで帰国する場合でも、ムリに日曜に移動するより、泊まって朝イチに出た方がラク。サンノゼやサンフランシスコで多少渋滞にあうが、まず十分間に合う。もっとも、できればモントレーもしくはサンフランシスコでもう一、二泊して、西海岸を堪能し、ゆっくり帰るのがベター。
 オークション開催日と場所は現地の新聞やフリーペーパー(ホテルのロビーにたいていある)で情報収集を
モントレーウィークエンドの過ごし方
モントレーウィークエンド見物計画 ペブルビーチ・コンクールデレガンス

西川流モントレーウィークエンド見物計画

各イベントの詳しい日程および情報を挙げておく。すべて例年のパターンで、正式な最新情報は各サイトでゲットしてほしい。ちなみに入場料は2012 年参考。こちらもサイトで再度確認を。前売りチケットを上手に活用されたい。
火曜日11:00 ~ 17:00
CONCOURS ON THE AVENUE
http://www.concoursontheavenue.com/
カーメルのオーシャンアベニューで開催される、クラシックカー・ミーティング。見学無料。
木曜日7:00 ~ 15:00
ROLEX PEBBLE BEACH TOUR D’ELEGANCE
https://pebblebeachconcours.net/
ペブルビーチ・コンクール出場車両によるドライブツアー。ペブルビーチを出発し、かの有名な17 マイルドライブからカーメルを走る。ランチタイムにカーメルのオーシャンアベニューに立ち寄るから、昼過ぎにそこで見学するのがベスト。見学無料。
金曜日10:00 ~ 16:00
THE QUAIL, A MOTORSPORTS GATHERING
http://www.quaillodgeevents.com/
イベント詳細は本編にて。チケットは前売り抽選のみ(400 ドル/人)。購入希望者は、ウェブサイトからイベント主催者の抽選リストに登録すべし!
金曜日9:00 ~ 17:00
CONCORSO ITALIANO, A CELEBRATON OF ITALIAN STYLE
http://www.concorso.com/
イベント詳細は本編にて。前売りあり(90 ドル/人。ちなみにネットで注文し当日チケットを受け取ることをWILL CALL という)。当日(125 ドル/人、カード可)もあり。
金曜日~日曜日7:00 ~ 17:00
ROLEX MONTEREY MOTOR SPORTS REUNION
http://www.mazdaraceway.com/
イベント詳細は本編にて。前売り(100 ドル/2日・人)、当日(120ドル/2日・人、カード不可)ともあり。一日券、三日券など、バリエーションあり。スケジュールに合わせて選べる。そのほか、食事/飲み物付きのスペシャルチケット“フラッグルーム”(375 ドル/人)など多数オプションチケットあり(要事前予約)。金曜は予選、土曜と日曜に決勝。
金曜日~日曜日10:00 ~ 17:00
PEBBLE BEACH RETROAUTO
https://pebblebeachconcours.net/
クルマ関係のグッズやパーツ、ポスターといった貴重なメモラビアが揃うマーケットパビリオン。金曜から日曜まで開催。会場はペブルビーチ近く。コンクールに向かう人は必ずここを通ることになるから見逃すことは絶対ない。ご安心を。お財布は不安になるけれど。
日曜日10:30 ~
PEBBLE BEACH CONCOURS D’ELEGANCE
https://pebblebeachconcours.net/
イベント詳細は本編にて。朝早く行っても入場できる。7 時台に行けば、入場シーンも見ることができる。前売り(200 ドル/人)あり、当日も可(250 ドル/人、カード可)。プログラムと駐車場、シャトルサービス付。電話予約のみVIP チケットあり(600 ドル/人、VIP パーキング、朝食、カタログ、サイン入りポスター、特別ギフトなど多数特典、詳細はサイトへ)

モントレーおよびカーメル市内のホテルならどこでもOK

各イベント会場は、モントレー市とカーメル市の周辺に散らばっているが、いずれもクルマで半時間以内の距離にある。なので、極論すると、レンタカーさえあれば、ホテルはどこだっていい。ただし、両市内のホテルはそうそうに予約で埋まる。できるだけ早く抑えておきたい。
インターネットのホテル予約サイトが便利だ。キャンセルも一週間前くらいまでOKというホテルがほとんどだから、まずは抑えておく、という手も。いわゆるアメリカンモーテルでも、プールがあったりジャグジーがあったりと、快適。部屋も広い。だいたい一晩百ドル前後。
また、ちょっとアシを延ばして、ギルロイあたりに泊まれば、プレミアムウィークのモントレー&カーメル市内のホテルより格段に安い。
モントレー、カーメルホテル
モントレー服装

夏、だけれども砂漠性。日向は熱く、日影は涼しく、夜寒い

とにかく、汗をかかない。だから暑くても、わりと快適。ただし、のどの乾きと日焼けには要注意。雨はほとんど降らないと思っていいが、朝、霧雨にあうことも(近年、多くなった)。夜は寒いので、薄い革ジャンなどがあると便利。
基本は、夏服に長袖が一枚あればこと足りるが、イベントごとに雰囲気を変えると、より楽しめると思う。ラグナセカは機動力重視で日焼けを抑えるスポーツカジュアルで、ペブルビーチは日本で着るにはちょっと派手かなあというくらいのジャケットスタイルで、などなど、自分なりに“遊んでみる”のも、楽しい。
もちろん、現地調達でイベントジャンパーやカーブランドブルゾンを着込むというのも、自分への土産もできて、一石二鳥である。過去のイベントシャツをさらっと着こなせば、常連っぽくも見えて…。
モータースポーツギャザリングやペブルビーチで、パステル系のスーツをビシッと決めれば、もうオーナー気分(雰囲気)である。このあたりのファッションは、欧米の競馬スタイルとよく似ている。

モントレーとカーメルはリゾートタウン!

お楽しみはクルマだけなの?!せっかくの夏休み、クルマに興味のない奥方やお子様が一緒、ということもあるだろう。ところがどっこい、モントレーとカーメルはふだん、気候も穏やかなリゾートタウンとして人気のエリアだ。
事実、これだけ有名なクラシックカーイベントが行われている真っ最中でも、ペブルビーチの別コースでゴルフを楽しむ“非クルマ好き”も多い。日本でいえば軽井沢と鴨川を足して二で割ったような場所柄だから、マリンやゴルフといったスポーツレジャーのほか、有名な水族館やカーメルのショッピングなど、楽しみどころは満載、である。観光などしたことのないボクが言っても説得力に欠けるというものだけれど。
NASCARに乗る子供

確かにシーフードが有名だ、but…

モントレー市内の食べ物は、あまり期待しない方がいい。海に近いので、フィッシャーマンズワーフなどシーフードを売りにしているけれども、味はフツウ。話のネタに、名物クラムチャウダーをどうぞ、という感じ。その昔、イタリア移民が多く、いわし加工に勤しんだことから、フィッシャーマンズワーフあたりにはアメリカン/イタリアンな店が多いけれども、パスタはサイアク。アルデンテという概念が、彼らのDNAからはごっそり抜け落ちているようだ。どうしても美味しいイタリアンが食べたければ、ちょっと高いリストランテへ(サーディンファクトリーなど)。アメリカンな飯に飽きたら、中華かメキシカンに行くのも手。ボクは中華派。一方、カーメル市内には、なかなか美味しい和食の店があったりする。歩き疲れたあとの寿司とビールは最高!だったり。
間違いなく美味いのは、地元のワイン。モントレーやワトソンビル、ナパバレーなど、カリフォルニアワインが安くて旨い!デルモンテなど、大きなスーパーで好きな総菜やデザート、ワイン&ビールを買ってきて、ホテルの部屋でパーティも愉快。問題は、日々のランチだ。まあ、基本的には食べる暇がない。イベントごとに、いろんな出店が出ているけれど、昼時は長蛇の列に。混まないうちに早めの腹ごしらえが無難。三日間は、グルメよりクルマ、と心得るべし。グルメ派は、サンフランシスコで延泊して旨いステーキを喰らうなり、ナパバレーでワインに酔いしれるなり、別日のオプションを用意しておこう。
カーメル市内の寿司屋HEAVEN ラグナセカパドックのハンバーガー
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。