スーパーカーとは何か。その定義は難しい。“ない”と言ってもいい。逆にいえば、どんなクルマでも、ある人にとってのスーパーカーになりえる。広義でいえばそれは、特定のある誰かにとって、移動の手段/道具としてのクルマを“超えた”大切な存在、であるだけでいい。
とはいえ、われわれ自称“スーパーカー好き”がスーパーカーを語る場合には、もう少し範囲を限定し、一定の前提条件のもと、語ろうとしているはずだ。
例えば、ランボルギーニ、フェラーリを中心とした稀少・高額・高級・高性能スポーツカーの一群。時代の最高技術を惜しみなく投入して高性能を実現し、そのことをカタチの上でもユニークかつ美しく表現しえたクルマたち。
派出なスタイリングに爆音エグゾースト、も重要な要素のひとつかもしれない。ポルシェ911ははたしてスーパーカーに数えていいのかどうか、といったディテールの議論はさておき、要するに、周りから羨望の眼差しをイッキに集める力をもち、そのことをオーナーがひしひしと感じ取れる存在、が、スーパーカーと言って差し支えないだろう。
それでもまだ各々のスーパーカー像には微妙な違いもあるだろう。例えば私の仕事場/東京都港区と私の自宅/京都市左京区、そして私の故郷/奈良県葛城市とでは、同じクルマを並べてみても全く違う反応がかえってくる可能性が未だ残されていて、やっぱりどう決めようとも人の気持が介在するかぎり、絶対的な定義にはならないのだが、まあ、キリがないので一旦そういうことにしておく。