長いジャガー史において、最も混沌とした時期のひとつに、XJ6シリーズ登場(1968年)の前夜、66〜68年ごろを挙げることができます。
当時のジャガー製フラッグシップスポーツカーといえばその名も知れたEタイプシリーズ1でしたが、もう一台、スポーツサルーンの雄であるMk2の存在も忘れてはなりません。Eタイプと同じ3.8リットルのXKエンジンを追加したMk2は、現代でも多くのファンに親しまれている高性能セダンです。
67年になると、この3.8リットル版がラインナップから落ちて、240(2.4リットル)と340(3.4リットル)という排気量の少ない仕様がラインナップに残ります。
ちょうどその頃、Mk XとMk 2の間を埋めるべくしてSタイプが登場。さらにSタイプにマークX顔を異色した420が生まれ、マークXは420Gへと進化しました。
……という具合に、この時代のジャガーランナップはかなり混沌としていたのです。
そんな時代に生まれたジャガー340。Mk 1から続くジャガースモールサルーンの系譜を引き継ぐ最後のモデルとなりました。
西川淳の、この個体ここに注目! |
本来CARZYではコレクタブルカーをメインに扱うという観点から、4ドアモデルの掲載を原則的に認めていません(4ドア車がコレクターズアイテムになるというケースは非常に限られているというのが現実です)。それでも申請された個体のなかに注目すべき4ドアモデルがあれば、その掲載を慎重に検討することとしています。
今回エントリーされたジャガー340。レーシングヒストリーのあるMk2ならいざ知らず、ノーマルの340サルーンではコレクタブルと言えるのかどうか。まずは実際に車体を見てから判断してみようということに。
まったくもって、驚きの個体でした。68年式で2月にラインアウトした記録があるというから、ほとんど最終の340。日本へ当時輸入された15台のうちの1台で、そこから2オーナー。ウェザーストリップを除き、ほとんどすべてがオリジナルという奇跡のプリザベーション個体でした。これをコレクラブルと言わずして、何と言う?!
走行距離は6万キロですが、コンディションは極上です。なにせ、トヨタ2000GTが200万円の時代に、800万円ほどで販売されていたクルマです。随分とモダンにみえるエンジンルームなどは、その証の一端と言えます。Mk 2に比べてコストダウンされた、とはいうものの、それでも各所の仕上げは高級で、ディテールデザインには、ホレボレ。
ペイント落ちやキズ、ゴムの経年劣化、メッキ類のシミ、バンパーの凹み、ワイヤーホイールの錆など、マイナス点も散見されますが、それでも尚、このクルマが68年の生産時点の雰囲気をそのまま残しているという事実の前では、ディテールの欠点などかすんでしまいます。
ピカピカに仕上げて乗る、というよりもむしろ、このままの状態で、あたかもずっと大事に乗って来られたかのように、その歴史を引き継いでいただくのが面白いか、と。
類い稀なサルーンデザインは、一日中眺めていても飽きるということがありません。
年式 | 1968年 |
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初年度 | |
排気量 | 3,442cc |
走行距離 | 60,000km |
ミッション | 3AT |
ハンドル | 右 |
カラー | アイボリー |
シャーシーNo | |
エンジンNo | |
車検 | なし |
出品地域 | 静岡県 |
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