技術と経験、知力と情熱の限りを尽くして勝負を繰り広げるF1の世界を、フェラーリとともに牽引してきた世界最高峰のコンストラクター&レーシングチームのひとつがマクラーレンです。
長らくレーシングの世界のみに棲息してきた彼らにとって、完全専用設計のロードカーメーカーになることは、創始者ブルース・マクラーレンの時代からの悲願でもありました。
骨の髄までマクラーレン製のロードカー。その第一弾こそが、2011年に登場したこのMP4-12Cでした。ミドシップレイアウトの2シータークーペで、ライバルはずばりフェラーリ458シリーズ。そのデビューは、F1シーンにおける“伝統のバトル”が公道上で再現された瞬間でもありました。
後に12Cと簡略して呼ばれるようになるこのミドシップカーの最大の注目点は炭素繊維強化樹脂(CFRP)製モノコックボディを採用したことです。
マクラーレンといえば、1981年にF1マシン用として初めてカーボンファイバーを使ったチームでもあり、以来、F1マシンに限らず金属製シャシーのクルマを造ったことはありません。動力性能と環境・効率性、さらには安全性を高いレベルで融合するにあたって、彼らはそれがまるで当然のことであったかのように、CFRPボディの採用を決断しました。2011年当時、アンダー3000万円のスーパーカークラスにおいてその決断は画期的でもあったのです。
90年代のマクラーレンF1(BMW製V12エンジン搭載)やSLRマクラーレン(AMGメルセデス製パワートレイン搭載)といった極少量のロードカーとは違って、12Cはマクラーレン純度100%の“量産”スーパーカーです。つまり、エンジンやボディといった大物パートからディテールのひとつひとつに至るまで全て、マクラーレンのために専用設計され、調達&生産されたものばかり。
なかでも、カーボンボディに接合されたアルミニウム製サブフレームを介してミドに積まれるパワートレインは、3.8リッターV8ツインターボエンジン+7速デュアルクラッチトランスミッションで、有名なパワートレーンサプライヤーと共同開発とはいえ全てはマクラーレン側の要望によって新たに開発されたものでした。
虚飾を嫌ったエクステリアデザインもマクラーレン流というべきものです。全てのデザインディテールには“速く効率的に走る”ための意味があるという確固たる信念に基づいてデザインされていました。特徴的なディヘドラルドアにしてもCFRPモノコックボディの特性を最大限に活用し、ドライバーポジションをできるだけ中央に配置したいという目的のために生まれたもの。それは決してスーパーカーらしさの演出のためのデザインではなかったのです。
12Cは車両全体を通してムダを極力排した、実に合理的な設計手法が採られており、そのためボディサイズと重量はクラス最小レベルに収まっています。そのことが12Cと、それに続く後継モデルたちに第一線級のパフォーマンスを約束したといっても過言ではありません。
西川淳の、この個体ここに注目! |
まずはド派手な“ガンボール”カラーリングに圧倒されましたが、よく見ればマンソリーのフルエアロ仕様であることが分かります。なんでも、最初のオーナーが1200万円をかけてエアロルックスに仕立てたものらしく、フロント19インチ・リア20インチのTWS鍛造アルミホイールも特注品です。ちなみに、ノーマルホイールは残っていますが、外装パーツはこの状態のみ。元色もホワイトで、もちろん、デカールを剥がしての納車も可能です。
走行距離は1万キロを超えた程度で、ミシュラン・パイロットスポーツもまだまだ十分に使えそう。
2011年式というからには当然初期型のMP4-12Cで、ノブやボタンのないセンサードアを採用していました。ロック解除にはちょっとしたコツがいるのですが、それがまた今となっては特別感がありますねぇ。
英国車らしく右ハンドルで、人気のカーボンインテリア仕様。純正ナビがまだ使いづらかったからでしょうか、フォールアップ式の日本製ナビが後付け装備されています。もちろんETC、レーダーもあり。その他、実用装備としてはロベルタのリフトアップシステムが備わっているため、ちょっとした段差で悩むことなどありません。
コンピュータチューンされているのも、この個体のユニークなところでしょうか。ノーマルで600psありましたが、おそらくは700ps近く出ているということです。ターボカーならではのキャラクターですね。
記念すべきロンドン〜東京ガンボールラリー2018の日本ステージに参戦した車両です。そのままド派手な雰囲気を楽しむのも一興というものでしょう。
年式 | 2011年 |
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初年度 | 2012年10月 |
排気量 | 3,799cc |
走行距離 | 10,100km |
ミッション | 7DCT |
ハンドル | 右 |
カラー | ホワイト |
シャーシーNo | 001586 |
エンジンNo | |
車検 | 2020年10月 |
出品地域 | 兵庫県 |
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