現代の足に使える クラシックの最高峰

1971年にデビューし1989年まで生産されたメルセデスのフラッグシップオープンスポーツカー、SL。その3代目となるのがこのR107です。ミディアムクラスW114のシャシーを転用し、Sクラス用の直6やV8エンジンを搭載していました。着脱可能なハードトップとソフトトップの両方を備えた2シーターモデルです。派生モデルとしてホイールベースを延伸した4シータークーペのSLCも存在します。

1986年にSLシリーズのトップグレードとして登場したのが560SLです。搭載する5546ccV型8気筒エンジンは最高出力235ps、最大トルクは39.6kgmを発揮、4速ATを組み合わせています。ちなみに560SLはアメリカ、日本、オーストラリアのみで販売されたモデルで、本国ドイツなど欧州では設定がなかったといいます。当時のメルセデスのチーフデザイナー、ブルーノ・サッコが推し進めた、角型のヘッドライトとグリルが横一直線につながるシンプルで直線基調のデザインは、今見ても飽きることがありません。

そもそも車名のSLの語源は、“Sport Light”(軽量スポーツ)だったと言われますが、このR107によってSLは“Super Luxury”(最上級ラグジュアリィ)へと変貌を遂げました。R107は美しいメッキパーツなどクラシックな佇まいでありながら、現代の日常の足としても十分に使える高い実用性が魅力です。18年間生産し続けられ、その1つの完成形とも言える560SLの評価は近年高まっており、程度がいいものを比較的リーズナブルに探せるのは今のうちかもしれません。


藤野太一の、この個体ここに注目!

1988年式でほぼ最終型のヤナセ物です。数々の整備履歴が残っており、約7万km時にエンジンのオーバーホールを行っているようです。現オーナーは、約2年前に知人から譲りうけたそうですが、クルマを複数台数所有していることもあり、たまにエンジンをかける程度でほとんど乗ることもなく屋内ガレージで保管していたそうです。

きれいな状態を維持したグレーのボディに、灯火類もきれいな状態で、メッキパーツの曇りなどもほとんどありません。ホイールにのみ細かなガリ傷がありますが、修復はそれほど難しくないはずです。インテリアはブラックで、ダッシュ割れなどもなく良好な状態。ノンオリジナルなのはオーディオくらいですが、ナカミチ製のデッキがいい具合にマッチしています。

走行距離は9万kmを超えたあたりですが、とてもそうとは思えないほどの良好なコンディションです。剛性高く美しいハードトップのルーフライナーやトランクルーム内には、まだ新車を彷彿とさせるような雰囲気すらあります。この時代のメルセデスの魅力はなんといってもとびきり質感が高く、そして実用性も高いこと。クラシックなスタイルとトルクフルな走りを活かして、日常のパートナーとして使うにはもってこいのクルマかもしれません。

車両スペック

年式1988
初年度19884
排気量5,546cc
走行距離91,414km
ミッション4AT
ハンドル
カラーグレー
シャーシーNoWDB1070481A084633
エンジンNo
車検なし
出品地域静岡県
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