毎日が冒険! 1/1の操るオモチャ

デューン・バギーとは海辺の砂浜を走るバギーカーのこと。その原型は1963年にアメリカ・カリフォルニアのカスタマイズチューナーであるブルース・メイヤーがVWビートル・タイプ1のシャシーの上に、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)のボディを組み合わせて製作したレジャービークルでした。つまり、当時のデューン・バギーはVWで製造されていたたわけではなく、VWバギーの名称はベースがビートルであったことから呼ばれた俗称でした。

1964年に「メイヤーズ・マンクス」として発売されたVWバギーは安価で組み立ても簡単であったこと、そして、そのシンプルで軽快なデザインがサーファーを中心に大人気となり、ほぼ同時期に誕生したビートルベースのバハ・バグと共に空前のバギーブームとなりました。当時の多くの雑誌や映画(スティーブ・マックイーン主演の「華麗なる賭け」)で使われた砂浜を駆け抜けるシーンは当時の若者の憧れとなりました。その後、アフターパーツメーカーのEMPIが同様のカスタムを施した「imp」を販売したことで、VWバギーの市場はさらに活性化します。その後も、多くのメーカーがこのジャンルに参入し、多彩なボディキットが誕生しましたが、王道(=現存している多くのモデル)はメイヤーズ・マンクスとEMPI impの2社だと言われています。

2社のVWバギーの違いは前者が5ナンバーで、フロントフェンダーがフラットな形状で造形もシンプル、後者は3ナンバーで、フロントフェンダーはタイヤホイールを覆う丸みを帯びたデザインであることで識別できます。ちなみに基本はエンジン、サスペンションなども型式を含めてVWビートルから変更がありませんでした。ただし、豊富な空冷ワーゲン用部品の流用が可能であり、さらにFRPボディゆえに加工が容易いこともあって、マーケットには1台として同じものがないのではないかと思えるほどと、個性豊かなことも特徴です。

見た目だけでなく、軽量かつ低重心、RRのトラクションのよさなど走行性能も申し分なし。容赦なく巻き込む風を受けながらの疾走する感覚はまさにゴーカート気分でしょう。

ちなみに1971年にメイヤーズ・マンクスとEMPI impはVWバギーの生産を終了しましたが、メイヤーズ・マンクスは2000年に事業を再開し、現在もVWバギーに改造するキットを発売しています。つまり、フレームさえ大丈夫なら、ボディはいつでも新品に蘇らせることが可能なのも魅力というわけです。


山崎真一の、この個体ここに注目!

取材車両は1965年式のVWビートル・タイプ1の車体をベースにEMPI impへとカスタマイズされています。朽ち果てていたB級(C級?)の個体を現オーナーがシャシーと機関を整備し、FRPのボディをレストアしました。仕上がりのイメージはVWバギーが現役であった1970年代のカリフォルニアで映えるような佇まい。ベースカラーの明るい緑は、二輪のカワサキのコーポレートカラーであるライムグリーンで、そこにアクセントとしてアイボリーを組み合わせたツートーン仕様です。ホイールも同色でコーディネイトされ、VWバギーの持つ軽快感と遊び心がより一層強調されています。リアのテールランプは純正のVWビートル用からオリジナルの角形のブレーキランプとバックランプに変更され、フロントシートは現オーナーが初代のトヨタ・セリカに使用していたという当時物のバケットシートに交換するなど、オリジナルの佇まいは崩さず、オリジナリティを加えたカスタマイズが施されています。

「頭の中に思い浮かべたのはTVシリーズのルパン3世のエンディングで峰不二子がVWバギーで疾走するあのシーンでした。市場にある数多くのバリエーションの中から、その映像に近かったのが、このクルマでした。もともとキットカー的な存在ですから、オリジナルに拘るよりも自分好みに仕上げたほうが長く乗り続けられると思い、理想を現実に近づけられるように仕上げました。ビートルの車体は頑丈で、エンジンも耐久性が高く、シンプルですから壊れるところも少ないですね」とは現オーナーの弁。

デイリーユースで使うには無理があり、雨の多い日本では環境的にゆとりのあるオーナーしか所有できないとは思います。けれども、少し走らせただけでも笑みがこぼれ、スーパーカーに負けない非日常体験ができるVWバギーは、たとえ日々乗ることができなくても、傍らにあるだけで心が豊かになる。そんな存在であることは間違いありません。

定番の砂浜でのリゾート体験から、サーキットでのサポートカーとしての活用など、使い方は貴方のアイデア次第でしょう。

車両スペック

年式1965
初年度1965
排気量1,285cc
走行距離12,869km
ミッション4MT
ハンドル
カラーライムグリーン × アイボリー
シャーシーNo116098412
エンジンNo
車検20206
出品地域愛知県
  • レポートは売り主さまへのヒアリングと現車の視認を元に構成されており、必ずしも掲載内容の裏付けが取れている訳ではありません。CARZYは掲載内容の正確性・無謬性を何ら保証しません。
  • 車両の状態を専門的にチェックしているわけではありませんので、何らかの不具合や故障が含まれる場合があります。また取材から日にちが経過することによる状態変化もあり得ます。掲載情報はあくまでも参考情報であることをご理解いただき、購入に際してはご自身の車両状態チェックとご判断を優先ください。
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