2代目フィアット500、ヌォーヴァ・チンクエチェント(新500)は、1965年にデビューし、1977年まで20年以上に渡って400万台以上が生産されたロングセラーモデルです。モノコックボディに、RR(リアエンジン・リアホイールドライブ)の駆動方式を採用し、当時の日本の軽自動車よりも短い全長3m未満のコンパクトなボディに大人4人が座れる室内空間を実現し大ヒット作となりました。
1960年、この500をベースにホイールベースを約100mm延伸し、荷室空間を拡大したステーションワゴン仕様が追加されます。それがこの500ジャルディニエラです。大きくなったといっても全長3.2m、全幅1.34m、全高1.35mというコンパクトなボディで、空冷の0.5ℓ直列2気筒エンジンを水平に寝かせて後部床下に搭載し、荷室空間を広く確保する工夫がなされています。またリアヒンジの前開きタイプのドアを採用することで、2ドアながら後席へアクセスしやすくなっています。そして開口部の大きなキャンバストップもこのモデルの特長です。後席の開放感も抜群で、スライド式のウインドウが雰囲気にぴったりです。
トランスミッションは4速マニュアル、当時のデータによると最高出力は17.5ps、最大トルクは3.0kgmを発揮します。数字は現代のクルマと比べるべくもありませんが、550kgという軽い車両重量もあって想像以上に元気よく走ります。500ジャルディニエラは最終的に1977年まで生産されました。
藤野太一の、この個体ここに注目! |
この個体は1995年に日本で初度登録されたもので、現オーナーはおよそ3年くらい前に入手したそうです。外装の部分補修を施し、機関系ではプラグコードやデスビキャップ、燃料ポンプなどを交換。エンジンからのオイル漏れもなく調子は良好のようです。またヘッドライトのリレーを交換して電圧を安定させる古いクルマならではのモディファイも施されています。
淡い水色のボディにブルーとホワイトの2トーン内装と、とても爽やかな色の組み合わせです。ビカビカにレストアされた個体ではありませんが、適度に日常使いされているさまが500には似合っていますし、ジャルディニエラであればなおのこと、それが雰囲気です。複数台数のクルマを所有する現オーナーは、娘さんにプレゼントするためにこのジャルディニエラを仕上げたそうです。エンジンも一発で始動しますし、とても軽快に走ります。娘さんからはエクステリアなどデザインへの評価は高かったものの、残念ながらエアコンがないことなどに賛同が得られなかったようで、泣く泣く手放すことを決めたそうです。フィアット500はそもそもスクーターからの代替を狙ったシティコミューターとして企画されたといいます。「古いクルマだからこそぜひ、日常で使ってほしい」とオーナー氏。三角窓とキャンバストップのルーフを開け放って、そんな楽しみ方を享受できる方にぜひ乗っていただきたいものです。
年式 | |
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初年度 | 1995年7月 |
排気量 | 499cc |
走行距離 | 26,482km |
ミッション | 4MT |
ハンドル | 左 |
カラー | 水色 |
シャーシーNo | FIAT120197641 |
エンジンNo | |
車検 | なし |
出品地域 | 静岡県 |
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