スーパーカーブーム時代の雄カウンタックの直系であり、アヴェンタドールへと連なるランボルギーニのミレニアム世代フラッグシップモデル、ムルシエラゴ。ディアブロの後を継いで、2001年にデビューしました。
ドライバーのすぐ後ろに縦置きされたV12エンジンと、室内に向かって配された6速ギアボックスは、併せてもうそれだけでボディサイズのほぼ半分をしめるほど巨大です。このコンセプトはカウンタック由来のもので、大きなエンジンを縦置きし、キャビンに向けてトランスミッションを配置するという奇想な基本パッケージングであったがゆえに、かの有名なシザードアをもつユニークなスタイリングが生まれたのです。ムルシエラゴには全て、ビッグパワーを路面へと確実に伝えるためにディアブロ以来のVT(4WD)システムが搭載されていますが、これもまたカウンタック時代の開発エンジニアが“理想”として掲げた駆動方式でもありました。
基本的にカウンタック、そしてディアブロの進化版パッケージですから、エクステリアデザインもまたそのモダン版にせざるをえなかったと言ってよく、シザードアとともにそれは“必然”というべきシルエットを得ています。デザインを担当したのは、チェントロスティーレ部長(当時)のルーク・ドンカーヴォルケ。
ムルシエラゴはアウディ傘下となってから初めて登場した新型モデルで、当初は58OHPの6.2リットルV12自然吸気を積んでいましたが、2006年にマイナーチェンジを受け、640HPの6.5リットルエンジンを積むLP640へと進化します。ちなみに、ランボルギーニのフラッグシップモデルに2ペダルATのeギアが設定されたのも、このムルシエラゴから(3ペダルのマニュアルギアボックスが選べた最後の12気筒ランボでもあります)。また、前期型、後期型(LP660)ともに、ロードスターモデルも用意されていました。
LP640という新たなサブネーム(もちろん数字はエンジン出力を表しているので、6.2リットルエンジンの前期モデルをLP620と呼ぶのは間違っています)を得たムルシエラゴ。もともとムルシエラゴのスタイルは比較的シンプルなデザインが特徴でしたが、後期型の640ではよりアグレッシブなディテールデザインとなり、猛牛ブランドのフラッグシップにふさわしいオーラを放つに至っています。
2009年には、世界限定350台のLP670-4スーパーヴェローチェや、同じく限定50台のLP650-4ロードスターを発表。2010年春に累計生産台数4000台を突破すると、その年の11月におよそ10年に及んだモデルライフの幕を閉じました。
総生産台数は4099台となっています。
西川淳の、この個体ここに注目! |
低走行のLP640 eギア(中古並行輸入車両)です。ムルシエラゴ時代にはまだまだ人気色だったホワイトのボディに黒ホイール×銀キャリパー、そして内装は黒×白ステッチのレザートリムに、カーボンパネルとアルカンタラステアリング、と、全体のコーディネートはかなりスパルタン。もちろん、人気のオプション、ガラス製エンジンフードも備わっています。
この内外装、決して珍しい組み合わせではありませんが、どこか違った雰囲気を漂わせているのは、ボディサイドやリアにマットブラックの部分ラッピングをセンスよく施されているからでしょう。
オドメーターはわずかに12000キロ少々。それでも、現オーナーは乗るときには真剣に乗っておられたようで、ところどころにごく小さな飛び石がいくつか発見されました。いずれもキレイにすることはさほど難しくありませんし、がんがん楽しみたいというのであればこのまましばらく楽しんで、時期をみて化粧直しするというのも一興でしょう。
ムルシエラゴをマーケットで見つけることはさほど難しいことではありません。けれども、2ペダルミッションゆえ気軽に乗りっぱなしとなってきた個体も多く、また大きくモディファイされていることも少なくなかったため、見た目にきれいな個体はさほど多くはありません。距離が少なく、機関も完調という個体はさらに少ない。
この個体は中古並行車ながら、改造箇所はごく控えめにリアアンダーカバー(カーボン)とマフラーのみで、見た目にはほとんどノーマルと変わりありません。
今となってはシンプルなスーパーカーデザインが魅力のムルシエラゴは、この先さらに注目を集めることでしょう。状態のいい個体がまだ見つかるうちに、手に入れておきたいスーパーカーの一台です。
年式 | 2008年 |
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初年度 | 2012年10月 |
排気量 | 6,496cc |
走行距離 | 12,112km |
ミッション | 6AT |
ハンドル | 左 |
カラー | ホワイト |
シャーシーNo | ZHWBE37S08LA03007 |
エンジンNo | |
車検 | 2019年10月 |
出品地域 | 兵庫県 |
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