アメリカのクルマ好きにとって永遠のアイドルといえばコルベット。1954年の誕生以来、実に70年間にわたってスポーツカーファンの心をときめかせ続けています。
一度も歴史が途絶えることなくその名をつづけてきたスポーツモデルというと、世界を見渡しても珍しい。他にはもう10年ほど遅くデビューしたポルシェ911くらいのものでしょうか。日本のフェアレディも歴史は長いのですが、わずかな中断がある(実を言うとコルベットも新型車のテストが長引いたか結果、83年のみ市販モデルを生産できませんでした)。要するにそれくらいスポーツカーをつづけて作ることはメーカーにとって難しいことなのかもしれません。
とにかく、シボレー(GM)はコルベットを作りつづけてきました。8代目となった最新型ではついにエンジン搭載レイアウトを変更しミドシップのスーパースポーツカーとなりましたが、それまでの7世代は基本、豪快なFRの2シータースポーツGTでありつづけた。なかでも2代目から7代目まではひと目でコルベットだとわかるスティングレイスタイルを貫き、アメリカのみならず世界的に有名なスポーツカーとなったのです。
スティングレイイメージを採り入れたのは第2世代のC2からでしたが、スタイルを決定づけたのは68年に登場し82年まで生産されたC3でしょう。かの有名なマコシャークを市販車として再現したそのデザインは、今なお見る者を驚かせずにはいられません。
前期のアイアンバンパー&トンネルバックスタイルは今となってはコレクターズアイテムですし、後期のウレタンバンパーにハッチゲートスタイルは後のコルベットデザインに大きな影響を与えました。
後期型の中でも最終型となる80年式以降のモデルでは、空力志向が大胆に取り入れられた結果、大きくフレアしたバンパーを持つグラマラスなスタイリングとなっています。その力強いスタイルは、強いアメリカのスポーツモデルの象徴として、今なお多くのクルマ好きの憧れの的だと言えるでしょう。
長いコルベットの歴史のなかでもC3はロングセラーとなって最も成功したモデルとなりました。
西川淳の、この個体ここに注目! |
「最初にエンジンを掛けた時の感動は今でも忘れられません」。そう言いながらオーナーが愛おしそうにエンジンを掛けてみれば、一発で始動。調子の良さが伺えます。のぶとく響くサウンドは社外マフラーのおかげというよりも、元からそういうサウンドだったと思わせるほど、迫力のスタイリングにはお似合いです。
改造されてしまうことの多いC3の後期モデルにしては、そのマフラー以外、これといってノンオリジナルな箇所が外観には見当たりません。ボディカラーの赤も、艶の良さやひび割れの状況から想像するにおそらくはリペイントですが、元色であることがカラー&トリムコードから判明しました。赤系のインテリアもまたオリジナルです。
艶やかな赤を保つボディですが、コンクールコンディションではありません。ところどころにクラックが見受けられるほか、タッチアップ跡やヘッドライト周りの修復なども気になるところ。とはいえ、そういう“歴史”も踏まえて、良いやれ具合であるとも言えます。佇まいは凛々しく、タイヤのスタンスも美しい。ビカビカではありませんが、きっちりメンテナンスされてきた個体だという印象を受けました。
インテリアもハンドルや一部のトリム以外はオリジナルを残しているようです。赤いカーペットやレザーの退色が甚だしく、そういう状態が気になる人には向きません。それをむしろプリザベーションとして楽しめる方におすすめしたい。我慢できなくなってから内装をレストアという手もあるでしょう。
8年前に購入してから刻んだ距離は1万マイル程度。フロア下周り、ブレーキ、ウィンドウレギュレーター、ワイパー、オルタネーターなど手を入れたところは多数あります。タイヤは2年前に交換ずみ。まだまだ使えそうです。
年式 | 1981年 |
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初年度 | 1991年12月 |
排気量 | 5,700cc |
走行距離 | 131,100km |
ミッション | 3MT |
ハンドル | 左 |
カラー | 赤 |
シャーシーNo | 1G1AY8761BS426169 |
エンジンNo | |
車検 | 2024年4月 |
出品地域 | 栃木県 |
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