スポーツカーの代表作、ポルシェ911のなかでも、最近、特に人気を集めているのが通称993と呼ばれる90年代の911シリーズです。
993型911の何が、そこまで世界中のマニアを惹き付けるのでしょうか。いろんな理由を考えることができますが、最終的には“空冷最後の911”という結論に行きつくと思われます。993直前の964型までは901型、いわゆるナローの流れを組んでいましたが、993型では前後スタイルを空力的に一新し、リアサスペンションをマルチリンクとすることで高性能化に対応するアシ回りを手に入れた。その一方で、空冷フラット6やスモールキャビン、特徴的なコクピットデザインは伝統を踏襲しています。
つまり、993型は911の今と昔が交差するモデルであり、歴史的にみても画期であったから、これほどもてはやされるようになったと思います。
993型911シリーズは93年から98年まで生産されました。ベーシックモデルのカレラ、カレラS、4WDのカレラ4&4S、そして高性能グレードのターボにRS(現代におけるGT3)、と、現代へと連なる911ラインナップの基本構成が完成したのも、この993型からと言っていいでしょう。
西川淳の、この個体ここに注目! |
一見、GT2に見えますが、その実、カレラというこの個体。エンジンはノーマルですが、アシ回りをきっちり造り込んであるため、乗ってみればこれがけっこう楽しめる。大きさがいいんですよね、何より。マフラーも交換されていて、なかなかのサウンドを撒き散らしていました。
面白いのは、ティプトロニックなのに、マニュアルに見えること。しかもモモ製ドリフティング・ディープコーンのスモールステアリングホイールでありながら、ティプトロニックをパドルシフト(カーボン)に変更して装着するなど、身の回りもけっこう凝っている。レカロのシートも張り替えて、リアシートも同じコーディネーションにしてみたり。オーナーの“改造愛”を感じることのできる一台です。
最近でこそあまり出動機会がないようですが、完成したころはかなりハードに攻め込んでいたらしく、フロントノーズには名誉のキズが沢山残っています。その他の塗装コンディションは上々ですが、気になるようなら、次のオーナーも気兼ねなく補修してもらっていい。現状でも、純正ラピスブルーに再塗装されているのですから。
GT2エアロパーツのフィットは美しく、ブロンバッハのホイールを履いて低く構えた姿は、まさにGT2。本物は今や数千万円という高嶺の花です。手元にあったとしても怖くて乗れません。その点、この個体なら、雰囲気を含めて、存分に楽しめるのではないでしょうか。
年式 | 1993年 |
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初年度 | 1996年3月 |
排気量 | 3,600cc |
走行距離 | 56,000km |
ミッション | 4AT |
ハンドル | 左 |
カラー | 青 |
シャーシーNo | WPOZZZ99ZSS310681 |
エンジンNo | |
車検 | |
出品地域 | 大分県 |
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