ジネッタ、と言われても、よく知っている方はマニアの部類に入るでしょう。ジネッタ・カーズは、英国エセックス州のウィサムにあったスポーツカーメーカーです。あった、などと過去形で語ってはいけませんね。現在でもG55GT4やG58プロトタイプといったレーシングカーを製造し、斯界では認められた存在ではあります。
そんなジネッタのことを、たとえご存知だったとしても、たいていはG4もしくはミドシップのG12のことではないでしょうか。ボクもそうでした。G12にはいっときひどく憧れたものですが、このG15スポーツクーペとなると、とんと縁がなかった。今回の取材を通じて、いろいろ深く知ったとこっそり打ち明けておきましょう(笑)。
実はこのG15、1968年から74年にかけて800台以上(キットカー含む)が販売されたという、歴代ジネッタモデルのなかでも最大級のヒット作らしいのです。丈夫な鋼管フレームに、トライアンフ・ヘラルドのアシ回りと、ヒルマン・インプのパワートレーンを流用して組み付け、それに英国車らしいスタイルのグラスファイバーボディをかぶせた、リアエンジン・リアドライブのスポーツカーでした。
インプのエンジンは、元々コベントリー・クライマックス社が開発したFWMA型ファイアポンプ量産エンジンをベースに、アルミニウム合金製のオーバーヘッドカムを組み合わせた875ccで、わずか55bhpながら、車重が500キロちょっと(実際にはもう少し重いけれど)と軽いため、十分に楽しめるクルマに仕立てられていたのです。
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フロントにラジエターを配置した69年式のマーク2。といっても、フロントバンパーはレース仕様に変更されていますし、燃料タンクもステンレス製へと換装されるなど、なんだかヤル気がびしびし伝わってくる一台です。
一見、ロータスエランとアルピーヌA110を足して2で割ったようなスタイルにみえますが、よくよく見ているうちに、なんとも味わい深いクーペスタイルに見えてきました。全長3.7m足らず。キャビンが小さくて、低い。RRというパワートレーン・パッケージのせいか、ちょっと他にはないスタイリングです。
もともとキットカーだったというだけあって、MGのドアノブやミニのウィンカーなど流用品も多数見受けられます。それでも、メーター類はスミスですし、灯火類はルーカス、ホイールもミラーもハンドルも、全て英国製でまとめられているあたり、さすがスポーツカーの国で生まれたキットカーだと思いました。
フレームもレストア済み。オイルパン追加済み。ワタナベホイールもセットにしての販売です。乗ればヤミツキ間違いナシというG15。とても珍しいスポーツカーです。好みの色にレストアしたり、ボーイズレーサー風に仕立てたりしても、面白そうですね。
年式 | 1969年 |
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初年度 | 1985年12月 |
排気量 | 875cc |
走行距離 | 62,000km |
ミッション | 4MT |
ハンドル | 右 |
カラー | イエロー |
シャーシーNo | 15/0171 |
エンジンNo | 0T19968 |
車検 | 無し |
出品地域 | 宮崎県 |
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