スペイン語で「ハリケーン」の意を持つウラカンは、ランボルギー二の登竜門的存在であり、ファミリーの中で最小のボディサイズ(とはいっても全幅は1924mmあります)を持つ量産ミッドシップスーパーカーです。その立ち位置は史上最大の成功作となった前作のガヤルドと同じですが、スタイリングは直線基調から、上級モデルであるアヴェンタドールの流れを汲んだ抑揚のあるディテールへと一新されました。インテリアは最新の戦闘機のコクピットような先進性に溢れており、「この内装デザインに惚れてウラカンを購入を決意した」というオーナーがいることは想像に難くないでしょう。
また、メカニズム面も継承されたのは5.2リッターのV10エンジンをミッドに搭載するスーパーカーであるというコンセプトのみで、アルミスペースフレームとCFRP(炭素繊維強化樹脂)のハイブリッド構造による軽量化と剛性アップを実現した骨格、新開発の電子プラットフォームによる車体の統合制御、直噴とポート噴射を使い分けることで、高出力と低燃費を両立するデュアルインジェクションシステムの採用したエンジン、さらにはランボルギーニ初のデュアルクラッチ式トランスミッションに、アヴェンタドール譲りの油圧多板制御のハルデックス4WDシステムなど新機構を積極的に採用し、速さはもちろんですが、デイリー・スーパーカーとしての資質をさらに高めました。
後輪駆動モデルのLP580-2(2017年モデルよりRWDクーペ)は、4WDモデル(LP610-4)のデビューから約2年経過した2015年11月に発表されました。絶対的な速さよりも操る喜びにウェイトが置かれているため、RWDモデルに合わせてエンジンの出力(610㎰→580㎰)と特性変更、シャシーの制御が見直されています。エクステリアも空力バランスの最適化のため前後のバンパーのデザインが変更され、4WDモデルとは異なるアピアランスを得ています。また、アルミホイールを1サイズ小さい19インチ、ブレーキローターもカーボンからスチールに変更する(いずれもオプションで装着可能)ことで、価格を2280万円(2016年の日本デビュー当時)に抑え、シリーズのエントリーモデルとしての役割も持っていました。LP580-2の魅力は軽快感ある操作性とダイレクトなドライブフィールであり、LP-610-4とは異なる顧客の獲得に成功しています。
ウラカンはガヤルド同様に、現在のランボルギーニのタイムテーブルに沿って、2017年には高性能モデルのペルフォマンテ、2019年にはシリーズのマイナーチェンジといえるEVOを投入。進化の手を緩めることなく、その完成度をさらに高め続けています。
山崎真一の、この個体ここに注目! |
眩しいくらいに華やかなロッソマーズ(メタリックの赤)のボディカラーをまとった2018年式のウラカンRWDクーペ。走行距離はなんと僅か2,500kmという個体がCARZY登場です。粗を探すわけではないのですが、車体全周、上下左右までくまなく探し、最後は這いつくばり床下まで覗いてみましたが、発見できたのはフロントウィンドウの小さな飛び石傷のみで、見事に綺麗なものでした。まさにほぼ新車のような素晴らしいコンディションの1台です。
所有期間、約1年で手放す理由は「ウラカンは素晴らしいスーパーカーで、非常に完成度が高いのですが、出来過ぎていて、面白みに欠けるのです。また、なるべく他のスーパーカーは乗らないようにしていたのですが、最近アヴェンタドールに試乗してしまい、完全にその刺激にヤラれてしまいました。来年以降に登場すると言われている新型を見てから、アヴェンタドールとどちらにするかを検討する予定です」と現オーナーの弁。ファイティングブルを1度味わうと頂点を極めたい気持ちは分からないでもありません。
エクステリアはスポーツエキゾーストシステムとボディカラーに合わせたレッドのブレーキキャリパーのオプションパーツが装着されており、ビジュアルを引き立てています(フロントのリフターはこの年式は標準装備)。
シートはブラックを基調に赤のステッチが入った本革で、ボディカラーとマッチしたコンビネーション。擦れやシワ、ヘタリなど使用感はほとんど感じられません。装備はオプションのドリンクホルダーとシート後ろのネットがセットとなったトラベラーズキット、視認性向上のためのパークアシストセンサー+リアビューカメラ、そして今や必需品いえる車外のドライブレコーダー(前/後、バックミラーの役目も果たす)など、現代のスーパーカーのたしなみといえる機能部品はひと通り装着されています。
新車のスタンダードモデルがEVOへと進化したため、開発当時にデザイナーが描いた素のウラカンを手に入れるにはユーズドカーしか選択肢がなくなりました。そうしたオーナー予備軍にとって、スーパーカーらしい煌びやかさと新車同線の状態を保つこのクルマは、非常に魅力的に映るのではないでしょうか? 本領発揮はまさにこれから、長く楽しむには最適な個体だと思います。
年式 | 2018年 |
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初年度 | 2018年7月 |
排気量 | 5,204cc |
走行距離 | 2,500km |
ミッション | 7DCT |
ハンドル | 左 |
カラー | ロッソマーズ |
シャーシーNo | ZHWEC2ZF4JLA10458 |
エンジンNo | |
車検 | 2021年7月 |
出品地域 | 愛知県 |
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